蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

ビリー・ワイルダー監督の「七年目の浮気」を見て

kawaiimuku2012-07-29



闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.284

結婚七年目を迎えたトム・イーウエル選手が、妻子をリゾートに送り出した夏の盛りにマリリン・モンローによろめくウエルメイドのリーマン・コメディ一幕物。

冒頭、妻子を避暑地に送り出した先住民のマンハッタン族とおなじことを百年後もやっていると切り出すこの軽快なユーモアとウイットがビリー・ワイルダーの得意技をウッデイ・アレンが何度も盗んだ。

モンローが地下鉄の風で下半身を冷やすシーンも、彼女がパンティを冷蔵庫で冷やしているほどの暑がりであるという性格描写を徹底するために用意されたのであって、必ずしも白いパンティを観客に見せて喜ばせようとする意図からではなかった。でも見せているけど。

ワイルダーの薫陶よろしくコメデイエンヌ、マリリン・モンローは気を吐いているが、トム・イーウエルの代わりにジャック・レモンならもっと楽しめたのに。


ネギを買わず玉ねぎを買い過ぎて怒られた 蝶人