蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

山田和樹指揮オネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」を視聴して

kawaiimuku2012-10-19



♪音楽千夜一夜 第282回

2012年のサイトウ・キネンフェス松本の公演をNHKの衛星放送で視聴しました。

このオネゲルのオペラは、以前小澤征爾がこの舞台にかけた時は、曲の物珍しさもあってまあまあ面白いと思ったものでした。(思えばこの人は独墺系の主流からちょいと離れた仏露洪牙利系で比較的マシな演奏をすることが多かったのです)。

今回は、なんとあのカラヤンの愛娘がジャンヌに扮するというので興味津津でしたが、これが父親譲りの長い鼻の持ち主で懐かしさを呼び起こしたものの、特にどうということはありませんでした。(他の声優でも良かったんじゃないの、という意味です。)

それから売り出し中の若手が指揮をしましたが、これがただ一生懸命に棒を振っているだけの木偶の棒のような人物で、管弦楽はどうだか知らないがおそらくオペラのなんたるかも知らず、ろくに振ったこともないのでしょう。演出はさすがにあの手この手をやってはいたが、べらぼうに高い料金を払わされてこんな木石の朴念仁の如き若造から下らない音楽を聴かされるお客の身にもなってもらいたいものです。(私はテレビで見物しただけだから助かったという意味です。)

彼は小澤と同様仏ブザンソンのコンクールで優勝したというのですが、オペラが大の苦手な指導者についてもろくなことはない。本気でオペラをやるつもりなら、早く欧州のまともな職人に弟子入りして少なくとも10年ほどはしっかり徒弟修行してほしいものです。

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