蝶人戯画録

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スタンリー・ドーネン監督の「シャレード」をみて

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.55

 

 

ともかく脚本がうまく出来ていて、いったい新犯人は誰なのか最後の最後までハラハラどきどきさせられる。

 

子鹿のバンビのようにキュウトでファニーな、しかしけっして演技がうまいとはいえないヘプバーンを、海千山千のドーネン監督がじつに巧妙に踊らせている。

 

相手役のケーリー・グラントの他にウオルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディなどの渋い脇役で固めたのも勝因のひとつ。さらにジバンシーの衣装とヘンリー・マンシーニの主題歌が華を添えている。

 

そういえばこの1963年製作の映画の中でケーリー・グラントが自慢する、「丸洗いしても型くずれしないスーツ」は、最近アオキ、アオヤマ辺りから発売されましたね。ようやく時代が「シャレード」においついたのかな。

 

 

門君が越した高崎あたりでは今頃きっと三〇度だろう 蝶人