蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

ジョー・ライト監督の「プライドと偏見」をみて

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.620

 

 

高慢と偏見は、ふたつながらに私たちが陥りがちな悪徳で、それは知性と教養が高い人間ほど陥りやすい幣害かもしれない。

 

ジェーン・オースティンはいにしえのとつくにの女流作家で、世間ではつまらない家庭小説をいくつか遺した人物くらいにしか評価されていないのだろうが、「人は見かけによらぬもの」という平凡にして重大な人世の奥深い真実をぞろりと披露してくれるので、読むたびそのつど目をむいてしまう。

 

 そんな原作をこの映画は見事な映像美の世界に置き換えており、ああこの美しい光景をもうちょっと見せておくれよ、といいたくなるシーンもいくつかあった。贅沢に丁寧に作られた逸品である。

 

 

なにゆえにシャツも手袋も奇麗に畳めるのか君は魔術師 蝶人