蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

ローレンス・カスダン監督の「白いドレスの女」をみて

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bowyow cine-archives vol.640

 

そりゃあ1981年当時のキャスリーン・ターナーが超絶色っぽいスエクスイー美女には違いないが、どうしてあんな賢いプレイボーイ、ウィリアム・ハートが一途にのめり込んで殺人まで犯してしまったのかきちんと描かれていないのは、ハートがまだ名優になる前の時代であったことにもよろうが、彼女が美貌のみならず性的で器質的な武器を持っていたからだろう。

 

こういう悪女につかまったら男はひとたまりもないだろうなと思いつつ、終始嘘っつぽい絵空事の動画を眺めていたが、その最低のリアリテイを裏付けているのは他ならぬジョン・バリーの渋い劇伴でした。

 

ちなみにこの007などの映画音楽で知られる英国の名作曲家は、女優ジェーン・バーキンの最初の夫でしたが、2人の間に生まれたフォトグラファーのケイト・バリーが昨年12月に謎の死を遂げたことをはしなくも思い出しました。

 

 

 

なにゆえにいともたやすく人は死ぬたやすくは死なぬと思いこみしに 蝶人