蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

今年はじめての海水浴

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鎌倉ちょっと不思議な物語第318回&バガテル―そんな私のここだけの話op.183

 

 

去る7月12日の土曜日に息子のリクエストで由比ヶ浜へ行きました。

 

台風8号が通り過ぎたばかりですし、まだ夏休みに入っていないのにかなり大勢の人たちが浜辺でゴロゴロ転がっていたのにはちょっと驚きましたが、浪は少し高かったものの海水は奇麗で、例によって30分間ほどの水浴びを楽しむことができました。

 

毎年諸般の事情でこの海水浴場に来るのですが、いつも頭にくるのは大音量でアホ莫迦空虚音楽を盛大に鳴らし続ける「海の家」、人の迷惑を顧みずに煙草を吹かす連中、ヤクザに憧れて入れ墨を誇示するイカレポンチの三悪人です。

 

今年は文化後進市の鎌倉でも、これらをお隣の逗子(去年はヤクザの殺人事件が起こった)や藤沢にならって少しは規制しようということになったので喜んでいたのですが、相変わらず喫煙する若者がいて不愉快でした。

 

ニコチンが体に悪いことを知りながら喫煙を続ける彼らが、全員ガンなどで早死にするのは大歓迎ですし、いわば自業自得というものですが、その毒の煙をいっぱんピープルに無差別にばらまく間接的な殺人テロ行為を実行するのは止めてほしいものです。

 

またせかっかく海にやってきたのに泳ぎもしないで、海辺に建つ城塞のような密室に入り浸って、さながら騒音のような白痴音楽に合わせて踊り狂っている連中も年々湘南海岸にはびこっているようですが、私のように寄せては返す波の音だけをめでる人間にとっては地獄からやって来た暴力団のような連中で、こいつらを全部法令で締めだした逗子市の英断を鎌倉市も見習ってほしいものです。

 

こういう措置を権力による芸術表現の自由の束縛だとか抜かす訳知り顔の評論家や音楽業界人がおりますが、それは海水浴場の音楽のありようについて実際に体験したことがないからで、私のように一夏に二〇回も海水浴に来るいっぱんピープルのほうがその恐るべき実態に通暁し実害を蒙っているに決まっています。

 

私だって音楽を愛することでは人後に落ちませんが、それはこういう開放的な海水浴場ではなく、私の大嫌いな渋谷とかロッポンギとか都会の町中の密閉された空間でおおいに楽しんでいただきたいものです。

 

 

なんでまたくりからもんもん入れ墨しとるんやおんどれヤクザになりたいんか  蝶人