蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第13回

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西暦2014年文月蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.184

 

 

よりによって相撲取りが「大和魂」とはけったくその悪い文句を吐くものだ。いまどき泉下の赤尾敏総裁だってンなダサイこたア云わないだろうに。7/31

 

土曜日に由比ヶ浜で20分泳いだ。今日は鳴り物はいっさいなくて、打ち寄せる波の音だかえが聞こえ、うれしいことにはただ一人の喫煙者も刺青者もいなかった。海水浴はこれでいいのだ。

 

富岡鉄斎の不滅のエロスに乾杯!

 

あのイチローがなんと本塁打を打って、悪戦苦闘している黒田に勝利を与える。偶には夢のような野球が実現するものだ。7/27

 

君が代」の「君」は天皇を指すのではなく、一般的な二人称である。「わが君は千代にましませ」と、はじめのほうだけ違ふ和歌が「古今集」にあるが、この場合の「わが君」も天皇といふ意味ではなかった。丸谷才一裏声で歌へ君が代」7/28

 

無我夢中 夢中酔死。

あまりにも暑いというより熱いので、生きていることを忘れてしまう。7/22

 

東京新聞の歌壇に投稿した短歌が特選になったので、文化部長さんが祝福の図書カードを送ってくださった。豪儀だね、東京新聞。7/25

 

指揮者の仕事は、1)音楽を正しく始める、2)正しく終える、そして3)聴衆に感動を与えることだが、それが成功することは稀である。7/22

 

イスラエル軍のガザ侵攻と無差別攻撃には反対です。7/19

 

妙に偏屈でヒステリックでヒポコンデリーな噛みつき亀より、例えばNHK「あさイチ」のいつもガハハガハハと笑い飛ばしているアホ莫迦男のほうが疲れなくてすむ。

 

安倍君、君はもう授業に出なくても構わない。両手にバケツをぶら下げてずっと廊下で立っていなさい。

 

目には目を。歯には歯を。銃に銃を。愛には憎悪を。という戦いの論理は不毛である。7/21

 

国家には個人を。戦争には平和を。紛争には交渉を。拡大には縮小を。権威には無力を、現実には理想を。7/25

 

世の中がますます危険で平和が脅かされているというのが本当だとしても、おのれ自身がその平和をさらに脅かす危険な要因になってはいけない。やたらめったら膨張しておのれを大きく見せかけようとする醜いカエルのように。

 

ベネディクト・アンダーソンが、「近代国家は新聞と小説によって想像の共同体になった」と述べているが、古代日本の帝は和歌の詞華集によってこれと似たことを行った。丸谷才一「王朝和歌とモダニズム」

 

藤原定家は文学から文学を作った。「余情妖艶」の言葉だけが彼の世界になり、それ以外のすべては消えうせる。丸谷才一吉野山はいづくぞ」

 

後鳥羽院ほど本質的に「しらべ」を口語脈にし、発想法をばある程度まで変化せしまた歌人は、明治大正の新詩人の間にもなかったのである。折口信夫「女房文学から隠者文学へ」

 

そんなに強い国にしたいのか。国が強くなればなるほど、個人はますます弱くなるのに。

 

ロリン・マゼールが肺炎で郷里で亡くなったという。あの巨大な犬小屋であるNHKホールを3階席の隅々まで鳴らし切ることのできた唯一の指揮者だった。亨年84歳。しばし黙祷。7/14

 

フルヴェン、クライバーの超一流の時代、ベームクレンペラーバーンスタイン等の一流の時代、ムーティバレンボイム等の二流の時代が終わって、今やドダメルなどの三流、四流の演奏を無理矢理聴かされる時代になったという訳だ。

 

YouTubeで聴くのはもっぱらスカルラッティ、ラモー、バッハ、ハイドンモーツアルト。そのほかはまったく食指が動かない。演奏家も若手はみな敬遠して前世紀の名人ばかり選んでいるのはなぜだろう。

 

秀歌は疲れる。凡歌がよろしい。

 

けったいな世界が転がってゆく。ローズ・ホーソーン

 

集団自衛権の行使容認は、憲法違反である。憲法第9条を一内閣の一閣議で蹂躙することは、憲法第98条と99条に違反する天下の大罪である。7/1

 

 なにゆえに私の記憶は失われてゆくキャベツの皮が一枚一枚はがれるように 蝶人