蝶人戯画録

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ラグジュアリー・ブランド「ドルチェ&ガッバーナ」の新聞広告をみて

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広告戯評第19回 &ふぁっちょん幻論第93回

 

 自称右翼の国家主義者にして我らが帝国の偉大なる領袖の世界に冠たる経済政策安倍蚤糞の大戦果の御蔭はどうかは知らないが、最近大手の商業新聞に海外有名ふぁっちょんブランドの広告が散見されるようになったのはまことに慶賀に堪えない。

 

 ひとつはご存知イタリアのラグジュアリー・ブランド「ドルチェ&ガッバーナ」の広告であるが、でっぷりと太った田舎の村のおばあさんが出演していて好感が持てる。

 

 しばらく前に服飾の宣伝広告に超スリムな若いモデルばかり出すのはいかがなものか、という議論や提案があったが、言うは易く行うは難しで、こういう普通はお洒落の対極にあると考えられている生活臭120%のダサイ老婆をあえて突きだすというのはかなり勇気がある経営方針だと思う。

 

 が、なに按ずるより産むは易し、で実際に白昼公前と登場すると通常のふぁっちょん広告よりも異彩を放ち、知名率のみならず好意高感度も勝っているように感じられるのは私だけだろうか。

 

 ところが外電によるとそんな「ドルチェ&ガッバーナ」の2人が、ゲイのカップルが養子を迎えることに反対していることを知ったエルトン・ジョン選手が「ドルガバなんてもう着ない」と怒り狂っているそうだ。

 

 1年間におよそ6億ユーロの収益を上げる人気ブランドを維持してゆくのもなかなか大変だろうな。

 

 

   トレンドを作り作られまた作るドルガバぐあんばれイタリア野郎 蝶人