シドニー・ポラックの2本ずら
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.884、885
○シドニー・ポラック監督の「大いなる勇気」をみて
1850年代のアメリカで街場暮らしに愛想をつかして山の中で一生を送った元南軍兵士の物語をロバート・レッドフォードが演じているが、私はそんな不便な山奥で暮らす人間には興味がないので、終始冷淡に見物して終わった。
主人公はたまたま先住民の娘と親兄弟を皆殺しにされた男の子の3人で一つ屋根の下で暮らしささやかな幸せをつかむのだが、それも一場の夢と消え去ってしまう。哀れというも儚し。
○シドニー・ポラック監督の「ザ・インタープリター」をみて
原題の「The Interpreter」は通訳という意味。ヒロイン(ニコール・キッドマン)の職業が国連のアフリカの少数民族の言葉の通訳をしているので、それをそなまま邦題にしたのはいいけれど、「ザ」ではなく「ジ・インタープリター」にすべきではないだろうか。
ヒロインの母国で反対派を皆殺しにしている独裁者の大統領が、NYの国連本部で演説をすることになったが、暗殺者が跳梁跋扈しているので、その身辺警護をショーン・ペーンが担当することになり、孤独な2人が次第に情を深めていくという社会派ラヴ・サスペンスドラマの佳作であるが、これが「追憶」の監督の最後の作品になったとは淋しい限りである。
ところでニコール・キッドマンもショーン・ペーンもなんだか正体不明のアジサイみたいな俳優だね。
家毎に三つの憂い窓閉ざす 蝶人
葉山町一色の県道を歩いてた23歳の女子大生を轢き殺した20歳の会社員 蝶人