蝶人戯画録

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2001年~2014年のファッション・トレンドを振り返る その10

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ふぁっちょん幻論 第90回

 

 

12年春夏イタリア・メンズコレ=ピッティ・ウオモ、ミラノも色押さえ、加工から「素材」へ。

 

12年春夏パリ・オートクチュール=はかなく、ロマンチックに。繊細に匂い立つフェミニン。シャネル、ヴァルサーチなど豪華さよりも繊細な花刺繍などの伝統技を駆使。

欧州経済危機の絵影響か。ディオールは解任したジョン・ガリアーノの後任まだ見つからず。

 

12年春夏NYコレ9月上旬=鮮やかに官能的に。米国らしいスポーツウエアも。マーク・ジェイコブスは前衛路線を独走。

 

12年春夏ロンドンコレ9月中旬=カラフルに華やかに。暴動発生で開催危ぶまれたが2年前にミラノから本拠を移したバーバリー・プローサム、おなじく英国に戻ったプリングル・オブ・スコットランドなど老舗が健闘。トム・フォードは初めてのショー形式。若手はパリへ。

 

12年春夏ミラノ9月下旬=大柄なアメ車や摩天楼ビルなど繁栄の20世紀を懐古。熟練の仕立てが際立つ。プラダ、グッチなど。

 

12年春夏パリコレ10月初旬=ロマンチックな服が主流、色素材形で現代性加える。

ルイ・ヴィトン、シャネル、コムデなど。リムフーは世界の医師に向けて放射能被害を受ける子供への救済を呼びかけ。

 

12年春夏東コレ10月16から22日=カラー新たに再出発。震災から立ち直ろうとするブランドメセージ。疾走感あるメンズ。初日はポールスミス。去年の2倍近い延べ四万8600人が来場。会場のミッドタウンはベンツの新車陳列。三越松屋のギンザファッションウイーク、渋谷でもモデルのきゃりーぱみゅぱみゅが動画サイトで生中継、ハチ公前ではミキオ・サカベによるモデルショウ。

 

第13回東京コレは事業仕訳で国の支援打ち切り。主催者の日本ファッション推進機構が米代理店IMGにスポンサー探しを依頼。ダイムラーが運営費六億の半額を出して冠イベントとなり「メルセデス・ベンツ・ファッションウイーク東京」として開催。

ダイムラーはイメージ戦略としてNY、ミラノ、ロンドン、ベルリン、モスクワなどパリ以外のコレに出資。有料チケット制を一部実施。

 

12年秋冬ミラノ・メンズ=古典、端正、紳士の色気。プラダなどカジュアルが影をひそめ端正なクラシックスーツやコート。不安が深まる時代には中身のあるジェントルマンシップ?

12年秋冬パリメンズ=「正統」に斬新さ添え。きちんとしたスーツやコートの復活。ルイ・ヴィトンなど「正統な仕立てへの回帰」。

 

12年秋冬NY=懐かしく可愛らしく。高級感や洗練は一休み、異なる柄や素材を重ね着して懐かしさや可愛らしさを前面に。ダサかわいいロダルテ。

 

12年秋冬ミラノコレ=強く女性らしく。プラダなどいにしえの王朝時代の華やかな輝きと装飾をもう一度。「ジル・サンダー」のラフ・シモンズ退任、サンダーが復帰へ。

 

12年秋冬パリコレ=時代の閉塞感を打破し、ファッションデザインの原点に立ち戻る強さと軽やかさ。コムデ、ドリス・ヴァン・ノッテンなど。多数の中国人バイヤーがスマートフォンで発信。

 

12年秋冬東コレ=ごちゃまぜの楽しさ、着こなしの洗練、重ね着のお家芸で震災ショックから立ち直ろうとするエネルギー。

 

12年秋冬TGC東京ガールズコレbyF1メデイア=女子のお祭り花盛り。規模拡大しエンタメ要素が強まる。14回目は2万7千人に。モデルが踊る「Canコレ」、神コレの「東京ランウェイ」も。

 

12年秋冬パリ・オートクチュール=さらに華麗、高級、繊細に。アジア、東欧新顧客の広告塔。ディオールの後任にラフ・シモンズ。オートの美術的価値高まる。

 

12年5月、世界19カ国、地域で発行されているヴォーグが、やせすぎモデル起用せず。

 

 

 

なにゆえに君は油絵で雑巾を描く耀司が襤褸服をデザインするように 蝶人