蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

2013-07-04から1日間の記事一覧

中上健次著「千年の愉楽」を読んで

照る日曇る日第603回 中上の小説の故郷は路地である。古くて新しい伝説が生まれる場所、路地では、それがどこであっても古くて新しい人間が生まれ、そして死に、いまもなお陸続と生まれて死んでいる。 路地の不滅の女主オリュウノオバは、地球上の緯度や経度…