蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

平成蛍日記

♪バガテルop61&鎌倉ちょっと不思議な物語133回

ここ数日私は毎日毎晩ほたるがりに熱中していた。

「かり」ったって狩るのではない。遠くからそおおっと平家蛍の点滅を見守っているのである。

蛍という昆虫はかなり行動半径は広いのだが、不思議なことに毎晩同じ場所に宿る。
♪蛍の宿は川端柳、とはよく歌ったものだ。

川端柳の同じ葉っぱにおよそ1週間から10日滞在してうまくいったら交接してこの世に別れを告げるのである。

昨夜は雌雄2匹が楽しみながら前後左右に移動しながらゆっくり交接するのをうっとりと眺めていた。

1週間前はたくさん飛翔していたが、ここ数日は2匹か4匹になってきた。あと数日で当地の蛍の季節は終わりを告げることだろう。


たまさかの狭心症の発作は意外に苦しい母もきっとこれで死んだのだろう 茫洋