西暦二〇〇八年茫洋葉月歌日記 続編
♪ある晴れた日に その39
今宵一夜の想い出にと
エーデルワイスを歌いしは
礼文船泊のホテルの女
小巻貝に
食われし冷た貝の成れの果て
船泊の浜にうずたかし
利尻富士は富士よりうるわし
利尻山より落つる水
うまし
走れども走れども一台の車なし
車なき礼文の人の
喜びと悲しみ
八つ手の葉っぱの上で
何度も羽を開いたり閉じたりしている
ヒメジャノメよ
耕君のため
巨大な蓮の葉と花を贈ってくれた木さんに感謝す
ありがとう
2月に母親が行方不明になった家
夏空に
洗濯物が揺れている
たった1個なりたる西瓜
食べにけり
今日から短期入所する息子と共に
毎日毎日
三浦スイカを喰らう限り
わが夏は終わらざるべし