蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

提案と回答と感想 その2


バガテルop90


○提案

鎌倉市の「障がい者計画」への要望

1「障がい者自立支援法」と合わせて市の障害福祉計画の見直しを!

「障がい者自立支援法」は、障がい者を無理やり自立させようとして施設から追い出そうとしたり、収入のない障がい者に従来よりも経費負担を強いて自活困難に追い込むなど、数多くの問題点をかかえており、現在各政党でも白紙撤回や改定を検討中である。従ってこの法律をもとにした障がい福祉計画の実施は、新法の成立までいったん中止しそれから再検討するべきではないだろうか。

2障がい者個人個人の状況に対応したきめ細かい施策を!

市の障がい福祉計画の福祉施設から地域生活への移行の「数値目標」にあまりにも力点がおかれすぎている。施設からどうしても移行できない障がい者も数多く存在しているのに、そうした個人個人の実態とは無関係に年度別の数字で減少計画を立てることは無謀であり非人間的である。数値計画自体を撤廃し、もっと障がい者個人個人の状況に対応したきめ細かい施策を充実させるべきではないだろうか。

3収容施設の増設を!
現在鎌倉市にはかなりの数の通所施設や地域作業所が存在しているが、入所施設は1か所しかない。今後その需要は急速に高まると予想されるので、その増設を希望する。

4「障害者」から「障碍者」へ
現在逗子市など全国の多くの市町村では、いわゆる障害者のことを「障碍者」と表記するようになっている。それは「障害」という表記がなにか悪いもの、世間に悪をなすもの、という印象をともなうところから、あえてニュートラルな「障碍」あるいは「障がい」という用語を使うように変化しているのである。本市でも遅まきながらこの表現法を採用されんことをのぞむものである。わたしたちは害虫ではない。


○回答

お寄せいただきましたご意見につきまして、次のとおりお答えいたします。

1について
 平成18年度に施行された障害者自立支援法では、全市町村に「障害福祉計画」の策定を義務づけており、鎌倉市においても、鎌倉市障害者福祉計画を策定いたしました。
 今回の計画の改定作業も、障害者自立支援法に基づき、国の指針を受けて、平成20年度末までに全市町村で取り組まなければならないものです。なお改定にあたっては利用状況やニーズをふまえ、検討や見直しを行います。

2について
 障害福祉計画は、利用状況やニーズに対応したサービスの提供の確保を図るための数値目標を定めた計画となっています。数値目標やサービス種別は国の指針に基づき全国共通のものとなっております。なお、地域生活支援事業の部分につきましては、任意事業も含め、市独自の内容となっています。
 利用者一人ひとりの利用状況に対応したきめ細かい事業の展開はとても大切なことと認識しており、計画期間中においては進行評価を行い、点検、管理をしていきます。

3について
 いわゆる親なきあとのケアについては、市としても重要な事項としてとらえております。社会福祉協議会NPO法人などと連携して成年後見制度利用支援事業などを推進していきます。
 国は新たな入所施設を認めない方針でいるため、新たな施設を作ることは困難な状況ですが、施設入所が必要な利用者には利用者の生活環境や状況に応じた支援を実施します。さらに在宅でのサービスを利用する方への支援も事業者と連携を図り、事業の充実を図り実施していきたいと考えています。

4について
 「障害者」の表記につきましては、鎌倉市障害者福祉計画を策定する経過の中で検討した際、「法律用語としてはひきつづき表現が残ることから今後も国の動向を見据えていく」、「表記よりもまず施策等の充実を図ることを推進すべき」という意見があり、「障害者」の表記を使用することとなった経緯があります。 しかしながら、ご指摘いただきましたように、表記を工夫している市町村もありますので、表現方法も含め、よりよい施策や事業の推進が図られるよう、表記から市民が受けとめる印象も考慮して、ひきつづき研究してまいりたいと思います。

 今後とも、市民に信頼される市政を進めてまいりますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申しあげます。

       平成 21 年 1 月 7 日 鎌倉市長  石渡紱一

○感想
市長より懇切丁寧な回答をいただいたことには感謝しているが、やはりお役所一流の官僚的な答弁の域を出ない点に不満を覚える。こういう要望にはこういう風に答えておけばよい、とでもいうような。
卒璽ながら私はこれから障がい者のことを「障ぐあい者」と呼びたいと思います。


障ぐあい者万歳! 万国の障ぐあい者団結せよ! 茫洋