蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

白砂青松


バガテルop111

明日は半世紀に一度、いやそれ以上というとっておきの楽しみがあるわけですが、今日は今日の楽しみを求めてまたもや由比が浜で泳いできました。今年17回目の海水浴です。

泳ぎながらまだ出羽三山の思い出に浸っています。いずれの山でも低地は松、その上は杉、さらにその上はブナの木が鬱蒼と茂っていて、高度と地相に合わせた植物が合目的的に生存していました。

驚いたのは庄内平野の日本海側にまだたっぷりと残されている松の大群落です。海岸線から数キロ内陸に入ってもそれはまだ美しくそびえている。白砂青松のおもかげをたたえて微笑している。その姿は感動的ですらありました。

酒田本間家などが防砂林として植林した過去の遺産の恩恵を500年後の私たちはかたじけなく享受しているということなのでしょうが、いつまでも後代に残しておきたい文化遺産だと思いました。


♪わが眼裏になおもうるわし庄内平野白砂青松 茫洋