蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第20回


bowyow megalomania theater vol.1


9月29日 晴

お父さんとお母さんと純ちゃんと僕の4人で大船のスエヒロファイブへ行きました。自動車に乗って行きました。トヨタ・カローラに乗って行きました。

トヨタ・カローラはお母さんが運転しました。なぜなら、お父さんはトヨタ・カローラを運転できないからです。

どうして運転できないのと純ちゃんがお父さんに聞きました。するとお父さんは、
「中学生の時にホンダ・スポーツカブにはじめて乗って坂道を降りたらだんだんスピードが出てきたので、ブレーキをかけたらそれがアクセルで、とうとう丹陽教会の玄関にぶつかってしまった。それいらい動くものは運転しないことに決めたんだ」
と答えたので、純ちゃんは「へええ」と言いました。

お母さんはなにも言いませんでした。

僕はスエヒロファイブで、ハンバーグを食べました。それからクリームソーダのサクランボウを食べました。それからクリームソーダを飲みました。とってもおいしかったです。

横須賀線の踏切は、カン、カン、カンと鳴ります。イ短調です。


♪悲しいおイ短調で鳴る横須賀線の踏切 茫洋