蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第21回


bowyow megalomania theater vol.1



「当分の間、この不思議なお家で生活しよう」

とリーダー役の吉本公平君が言いだしたので、みんなも
「そうだ、そうだ、そうしよう、それがいい」
と口々に言い、そうすることに決まりました。

ごはんを食べないと死んでしまうので、栗と柿を食べた後全員でふたてに別れて食料を探しに出発しました。

森の奥から冷たい風が吹いて来て深い森の匂いが鼻を刺し、はらわたまで沁みました。

僕はのぶいっちゃんとひとはるちゃんの兄弟と3人組になって、不思議なお家の裏山に登りました。シイ、ドングリ、クリの実やイタドリ、ミョウガ、柿を両手で抱えきれないくらいいっぱい取りました。

クワの実を食べながら帰ってきました。青い鼻汁をずるずる流すのぶいっちゃんの口の中は真っ赤でした。

公平君と洋子と文枝もドングリやシイの実をたくさん持って帰りました。シイタケやヤマイモやマツタケや色々なキノコもありました。

「大戦果だあ!」

とのぶいっちゃんとひとはるちゃんは、青白い鼻汁を合計4本垂れながしながら叫びました。



陰険な漁師どもの罠逃れ滑川に帰還せしウナギの王よ 茫洋