蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第45回


bowyow megalomania theater vol.1

ふと僕がわれに返ってあたりを見回すと、星の子の仲間たちに取り囲まれ、黒衣の特別攻撃隊10名の血まみれの死体が、岡に打ち上げられたマグロのように横たわっていました。

「そいつらをバリケードの外へ放り出せえ!」

と、のぶいっちゃんが叫びました。それでみんなで赤黒い重い重い死骸の数々をえんやこらせっせとバリケードの外側へ放り出しましたので、警官たちの死体は、ススキヶ原を越え、水無川の方へとごろごろ転がってゆきました。

そこで僕は小さな声で歌いました。いもむしごろごろ、たわらはどっこいしょ、いもむしごろごろ、たわらはどっこいしょ……



二人して蛍見に行くうれしさよ 茫洋