蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

続々 狂言綺語


バガテルop139


世界の「水泳飛び込み競技」においてスプラッシュ(水しぶき)を消すことが最大の努力目標になっているようだが、そのどこが素晴らしいのか。じゃんじゃん飛込み、バンバン水しぶきを上げるのがこの競技の最大の見どころではないか? こんな阿呆な技術を発明し、飛んだ痕跡を消すことに憂き身を窶す変態競技に血道を上げている奴らはくたばっちまえ!

クラシックが大好きな保守派の私はどうもジャズが苦手で、大家の最初のイントロを耳にしただけでもうすべての展開と終結が分かったような気がして毎度おなじみの友川かずきで口直しすることになるのだが、セロニアス・モンク選手だけは別だ。
この人のはやはりフリージャズの仲間に入れられているのだろうが、そういうフリーを呼号する連中とは違って、ほんとうに純粋無垢の自由な音楽をやる人なのだ。その演奏はいくぶんグレン・グールドの自由さに似ているところもあるやうだ。

私がどうしても耐えられないアナヌンサーの声、それはフジテレビの「ウチくる!?」という番組の局女子アナの脳天に突き抜ける黄色い絶叫、そして官許NHK放送のクラッシック担当の山田なんとか女史の男に媚びるような厭らしい物言い。菅よりも君たちが先に退場しなさい。 


台風一過の朝比奈峠でヒメジオンの花の上で交尾する雌雄のモンシロチョウを見た。その行為の純一無雑さに感嘆す。人の一生もかくありたし。




秋風やパソコン嫌いの女がひとり 蝶人