蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第3部さすらい 第8回

bowyow megalomania theater vol.1

すると洋子が、

「私はやっぱ「さすらう人」だな」

と、突然言ってスタスタと三台目の車の助手席に乗り込んでしまったので、僕も仕方なく「遊ぶ人」のトラックに乗りました。

 のぶいっちゃんは残った「働く人」のに乗り込むと。三台の大型陸送車はすさまじい轟音と土煙をあげて国道246号線めがけて急発進しました。

 横浜から東名高速道路に入って2時間くらい走ったところで浜松に着きました。

「俺っちはよお、ここでウナギでも食ってくけど、オメエたちはどうする?」
 と「働く人」が尋ねました。

しかし僕たちはお金もないしお腹も減っていないのでそこで三人の親切な男たちと別れて、そのままどんどん海に向かって歩いていきました。


五十名の生徒が走らせるシャーペンの音 蝶人