蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

続・葉月狂言綺語


バガテルop141

菅首相がいよいよ辞めることになったので、世間やマスコミでは鬼の首をとったように大喜びしているが、それほど愉快な出来事なのだろうか。そもそも腐敗堕落した自民党を見切り、民主党には立派な人材や政策や指導力がある、などと勝手に巨大な妄想を描いて猫も杓子も投票し、政権交代を実現したのは当の君自身ではないか。それで鳩山や菅が出てきた。
確かに鳩山はひどすぎたが、次に出てきた菅がアホ馬鹿なので、菅を上回る超々アホ馬鹿であってもいいから3代目に代えろ変えろ替えろと叫んでいる。まるで3歳の幼児がお星様を取ってくれと泣き喚いているようなものだ。
で、民主党に他に誰かいるのか? 下馬評に上がっている顔ぶれを眺めているだけで、彼らが「評判の悪い菅」を超える指導者たりえないことは一目瞭然である。どいつもこいつも悪代官に抱きついて腰巾着になりたがっているだけの話だ。
菅はそれほど優れた政治家ではなく、そして実際にいくつもの失敗を犯したにせよ、少なくとも公務員として勤務時間中に特定の宗教機関を親しく訪問しなかったし、浜岡原発を停止させたし、脱原発とまではいかずとも離原発という新たな方向性を提案した。津波原発の後処理などにしても彼に代わって彼よりましな政策を領導できる人材はおそらくこの党に存在しないだろうし、野党の政治家にも見当たらない。
菅はもちろん国際的にはれっきとした3流の指導者ではあるが、「この国及び国民の実態を正直に反映したそこそこまともな指導者であった」ということを、菅落としに全力を挙げた人たちは3ヶ月後に気づくであろう。菅は糞ダメの中の立派なウンチだったが、その他の連中は糞以下の流動物だった。(汚い比喩で申し訳ありません)
この国には君と同じ程度に底の抜けたうさん臭い政治家しかいないことを肝に銘じ、しかるのちに彼を担げ。

昼寝から目覚めればまたマリナーズ逆転されている 蝶人