蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第3部さすらい 第14回

bowyow megalomania theater vol.1



そしたらおちんちんが次第にかたくとんがってきたのに洋子が気がついて、それを手でつかんでどこかとてもやわらかくてひんやりしたところへ入れてくれたので、僕は思わずいい気持になって、ああ、いい気持ちだ、いい気持ちだ、こんな素敵なことは生まれてはじめてだ、と叫ぼうとしましたが、その言葉の途中で洋子の唇でふさがれて、あっと言って、ああっ、となって思いもかけずあんなところからなにか温かいものをドーと出してしまいました。

出ちゃったんだもんね、僕……

そして、洋子と僕はいつまでも桜の樹にしがみつくセミのようにしがみついたまま、朝までなにも言わずに抱き合って眠り続けました。

のぶいっちゃんは一人でどこか遠くの砂丘の陰でふてくされたまま寝ているようでした。



隣家で鳴く鳩時計で目覚める午睡かな 蝶人