蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

ジェームズ・ブルックス監督の「恋愛小説家」を見て


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.210


流行作家のジャック・ニコルソンが行きつけのレストランのウエイトレス、ヘレン・ハントと『As Good as It Gets』になるという典型的なハリウッドのファッキンアホ馬鹿映画だ。

ハントは確かにちょっと可愛い女優だがこんな演技でアカデミー賞とはちゃんちゃらおかしい。ジェームズ・ブルックスなどという3流の監督の手にかかるとジャック・ニコルソンのような名優ですら気持ちの悪いただのオッサンに変身してしまうのである。ブリュッセウ・グリフォンとかいうちんけなあほ犬もただただウザッタイだけ。

だいたい恋愛小説を書く作家はいても、恋愛小説家など世の中に1人もいないし、こんな奇妙な日本語もまた存在しない。

それなのに、私はこの下らない映画を、それと知らずに2回も見てしまった。おお、なんという人世の無駄だったことか!


恋愛小説家がいるから知事小説家強欲小説家失楽園小説家もいるのだらう 蝶人