蝶人戯画録

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チャップリン監督の「ニューヨークの王様」をみて

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.571

 

 

 某国をクーデタで追われたチャプリン王がNYに亡命してくるが、アメリカのマスメディアに翻弄されて妻のいるパリに飛ぶまでの喜劇映画であるが、今回久しぶりに再見して私が記憶していた哀愁に満ちた主題歌がどこでも鳴らないので失望した。

 

彼の作曲の中で私がもっとも好んで時折口笛で吹いていた「名曲」だったのに、いったいどこへ消えてしまったのだろう。それとも私の根深いアルツハイマーのせいか。

 

 1952年に追放されたアメリカへの風刺がこめられた作品ではあるが、そこにはなぜか憎悪はなく、あるのは深い疲労と悲しみであるように感じられる。なんだか老いたる名優が可哀想になってくる最後の出演作品だ。

 

 

   さらばチャプリン お前の山高帽とステッキはどこへ行った 蝶人