蝶人戯画録

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鏑木清方記念美術館で「昭和に描いた明治の風情」展をみて

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茫洋物見遊山記第138回&鎌倉ちょっと不思議な物語第294回

 

 

きゃまくら小町通りの奥にひっそり閑として佇む旧清方邸では題記の収蔵展をひそかに開催中です。

 

今回は「朝夕安居」、「女役者粂八」、「虫の音」、「徳川慶喜」など日本画の秀作が並んでいますが、いちばんの観物は彼が昭和九(一九三四)年に描いた「にごりえ」の連作挿絵で、ここには樋口一葉の小説のはかなくも美しい零落の世界があざやかに劇化されているように思われました。

 

なお本展は来る10月27日までさびしく開催中です。

 

 

我が短歌どれほど幼稚で下手くそでも先生どうか直さないでね 蝶人