蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

エイドリアン・ライン監督の「ナインハーフ」をみて

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.600

 

アメリカ版80年代ロマンポルノだが、ミッキーローク、キム・ベイシンガーの主人公の男女がアホ莫迦に見えるのが悲しい。セックスの虜になっていろんなまねごとを楽しみながら深間に入りこんでゆくのだが、NYの本番を見て女が興奮して見知らぬ男とやりたがるというのはいかがなものか。

 

 30年以上前に大阪に出張した夜、ドストエフスキー大好きという先輩に連れられて大阪湾の傍の見せ物小屋で本番ショーというものを生まれて初めて見物したが、それはじつに陰惨で愚劣そのものであり、私はそれを遠望しながら寒気と吐き気を覚えたことだった。

 

 しかしくだんのドスト青年はそれが行われている回り舞台にかぶり付き、異様な目つきで興奮していたから、洋の東西を問わずああいう光景に同化興奮する手合いはいることはいるのだろう。

 

季語絶えて日本の秋が過ぎてゆく 蝶人

 

 

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