蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

ソニー「マスターワークス・ヘリテージ」ボックス全28枚組CDを聴

kawaiimuku2013-01-21



♪音楽千夜一夜 第294回

アベノミクソのお陰でどんどん輸入盤の円安メリットが失われてはいるけれど、いま世界で最も安価な韓国ソニー製の米コロンビア録音による名盤集である。

私の好きなセル&クリーブランド響によるシューマンの交響全曲やドボルザーク、もっと好きなストコフスキーミトロプーロス、トマス・シッパーズの名盤がザクザク。

とりわけシッパーズのバーバーの「アダージオ」やフランチェスカッティミトロプーロス&NYフィルによる「メンチャイ」、セル&レオン・フライシャーによる「ブラ協」などは聴く度に心が踊る素晴らしい名曲の名演奏。

見せかけが新しいものほど古臭く、いっけん古臭そうにみえるものほど新しい。同曲をCDできく諏訪内晶子の凡演や先日FMで耳にしたエレーヌ・グリモーN響のブラームスの駄演などを知るにつけ、彼らの演奏の生命力の輝きはいや増すのみである。

恐山のイタコが下せし御託宣きみうかうかと真に受けるなかれ 蝶人