蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

パンツと人世~「これでも詩かよ」第59番

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ある晴れた日に第195回

 

 

パンツをはけば、君は、もっともらしい君になる。

 

「やあこんにちは、ごきげんよろしゅう」

「お砂糖は1杯にしますか、2杯にしますか?」

とか、なんとか言っている。

 

パンツを脱げば、君は、とつぜんいやらしい君になる。

「良子さん、今夜は月がきれいですね」

「ねえねえ、いいじゃないですか、別に減るもんじゃなし」

などと囁いておる。

 

はたして、どちらがほんとうの君か?

と、君に問うても仕方が無い。

分かっているのは、人世にはパンツが必要だ、ということ。

 

人世にはパンツが必要だ。

 

 

なにゆえに人間にはパンツが必要なのか猿はパンツを穿かないのに 蝶人