蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

りびえらさん~「これでも詩かよ」第68番

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ある晴れた日に第207回

 

りびえらさんは、枚方の菊人形の会場に幽閉されてしまいました。

りびえらさんに同情した女の子が面会にやってきましたが、許してもらえませんので、仕方なく門の外で、りびえらさんのお母さんとたちつくしておりました。

 

「お母さん、りびえらさんはどうしてりびえらさんというの?」

「リびえらさんはリビエラからお嫁にやって来たのよ」

「りびえらさんはなにか悪いことをしたの?」

「いいえ、悪い大臣が勝手に牢屋に入れたのよ」

 

りびえらさんは、リビエラ国のお姫様だったのですが、悪い大臣が黒い戦争を企んだ時にただ独り反対したために、ここに連れてこられたのです。

 

それから2人は可哀想なお姫様のために「冬のリビエラ」を歌い、1本の薔薇を置いて立ち去りますと、りびえら姫もこんな歌を歌いました。

 

 ふるさとはきっと薔薇の花盛り 

でも枚方には菊のお花しかない

み園生の泉の底に沈んでいた勾玉の翠の光の懐かしや

 

するとその歌を聞き付けた名犬ムクが、りびえら姫の絹のハンカチーフをくわえて走ってきましたので、りびえら姫が急いでそれを開いてみると、赤青翠黄色紫の5色の木の実が入っていたのでした。

 

 

なにゆえに女流ヴァオリニストは谷間も売るのか見せつけるのは音楽だけにせよ 蝶人