蝶人戯画録

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ブルース・リー監督の「ドラゴンへの道」、ロバート・クローズ監督の「燃えよドラゴン」をみて

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.628&629

 

ブルース・リーが監督・脚本・武術指導・主演の4役を務めた作品だが、それらのいずれをとっても酷い出来栄えである。

 

ローマを舞台にしたリーは、はじめは処女のごとく、おわりは脱兎の如く大活躍するが、自分が翌年に泉下の人となるとはおそらく夢にも思わなかっただろう。

 

無常迅速とはわれらが人生のことである。

 

ロバート・クローズ監督の「燃えよドラゴン」は、脚本も演出もどうしようもないが、尋常ならざる風貌と鋭い視線できわだつブルース・リーの強烈な存在感だけが際立つ3流カンフー映画なり。

 

しかしえてしてこの種の映画は全世界に異常に繁殖するもので、むかし映画館なんかどこにもないような僻地へ行ったときにも、典型的なアジア人である私をブルース選手と間違える連中がいたものだ。

 

最近中国人や韓国人をおのれよりも低くみていわれもなく不当に蔑視する手合いが増殖中だが、そもそも日本人と同じモンゴロイドであり歴史的には先進的であった彼らを嫌悪したり差別したりするような愚は避けたいものである。

 

 

なにゆえに中韓の悪口ばかりいう隣の国とは仲良くするべし 蝶人