蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

くたばれ!マウンティング・バイク


あなたと私のアホリズム その9


最近これはちょっとヤバイと思うのが、山道の奥の奥の杣道を猛烈な勢いで突っ走る無軌道なマウンティング・バイクである。

こっちは都会の喧騒と車が嫌で田舎に引っ込んでいるというのに、最新式の重装備自転車にまたがった奴らが、お誘い合わせの上で団体で鄙に押しかけてくる。

文字通り獣1匹しか歩けない急な小道を、地図を片手に都会からやって来たこいつらが、下に誰が歩いているかなぞまったく無頓着に、「ひよどりごえ」の義経気取りで車もろとも落下してくるのである。
恐ろしいやら、怖いやらで、おちおち山道の散歩などできるものではない。

タイワンリスが環境を破壊しているのは事実だが、こいつらは動物だ。言い聞かせても善悪が分からないから仕方がない面もある。

しかし老人、子ども連れが楽しく歩いている野道やハイキングコースに、猛スピードで自転車を乗り入れてくるのは、一人前の人間である。

お前は自分がやっていることの意味が分かっているのか? 山道は山人が歩くための道なんだ。「走る機械」が、遊びで走る場所じゃないんだ。

いくら都会の道路が危険だからといって、わざわざ人跡稀な僻地までやってくるな。

お前の身勝手な欲望のお陰で、多くの人々が迷惑を被り、怪我をしたり、大きな被害を受けているのだ。

見ろ、お前が知らずに車輪で踏みつぶした冬スミレを。お前のお蔭で人間だけではない、自然も傷ついているんだぞ。

自転車屋も自転車屋だ。環境を破壊する凶器を作るな、売るな、奨めるな!


ということで、久しぶりに“怒りのチビ太”となりました。