蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

由比が浜vs逗子海岸


バガテルop107&鎌倉ちょっと不思議な物語第203回


昨日の逗子海岸行きで今年の海水浴も12回目となりました。

例年ですとこの時期には土用波が押し寄せ、大中小のクラゲが現れるのですが、台風8号の余波と数匹のクラゲ攻撃はあったものの、概して今年の湘南の海は平穏続きであったのではないでしょうか。

 私は普段は鎌倉の由比が浜で泳いでいますが、こことか材木座、中央海岸が遊泳注意あるいは遊泳中止であったとしても、逗子海岸だけはほとんど遊泳可能です。なぜならこの海岸は岬の奥に少し引き込まれた内海なので、外海に直面した他の海水浴場が荒波に襲われていても、まるで沼のように穏やかなのです。

 それにこの海岸にはさまざまな魚たちがたくさん泳いでいる姿を浅瀬でも、沖でも見かけることができますし、潜りながら彼らに近づいていっても逃げずにのんびりと回遊しています。やわらかな砂の中にはヒトデや貝もうごめいていて、私たちの少年時代には引けをとるとしても、まだまだ豊かな自然が残されています。

ちなみにこの海岸の神奈川県による衛生検査では他の海岸を押しのけて一位でした。

またこの海岸には地元出身のミュジシャン、キマグレンが経営するライブハウスも浜辺に建っていて、海水浴以外のコンサート体験もあわせて楽しむことができるのです。
東京方面から電車に乗って来ると帰るときに鎌倉からでは絶対に座れませんが、逗子駅からだと4両を連結するので1本待てば必ず座って帰ることができますし、湘南新宿ライ始発電車もここから出ています。


ゆいいつ嫌な感じなのは、この海岸にはかの尊大傲慢都知事の「太陽の季節」碑、および海岸を見下ろす高台に彼の山荘が鎮座していることですが、それを値引いても由比が浜vs逗子海岸ではどうも後者に軍配があがりそうです。


♪逗子の海潜れば群れなす魚たちメビウスのごとわれも泳ぎき 茫洋