蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

雨の月曜日


バガテルop114


昨日は私の地元では参院補選と鎌倉市長選が行われ、雨が篠突く中を投票に行ってきました。

夜になってその結果が判明し、前者では民社新顔の金子氏が当選を決めましたが、後者では同じく民主党推薦の渡辺光子氏がなんと2万票の大差で無所属の前県議松尾祟氏に惨敗しました。

松尾氏は弱冠36歳、行政経験は未知数ですが、日本有数の高給取りの市役所職員の給料を1割カットしてその分を他の歳出に振り向ける!とただそれだけを絶叫して、どちらかといえば民主党支持者の多い市民の圧倒的支持を受けての当選でした。
いっぽう民主、神奈川ネットワーク運動、社民に支援を受けながらあえなく落選した渡辺氏は総花的な努力目標を並べてみせただけでそれを超えるメッセージを発することなく、またその政治的・人格的存在感を発揮できず、民主党支持者の支持すら掌握することもできずむざんに敗れ去りました。

民主党は、国政での2勝の価値をみずから引き下げるように、鎌倉市だけではなく、八戸市ふじみ野市、川崎市長選や宮城県知事選でも敗北しています。

これはとりわけ地方自治体の選挙においては、いかに内閣支持率や政党支持率が自民を凌駕していようとも、住民の心に真摯に耳を傾けず、候補者に適材を得なければ民社党の生活第1の1枚看板など屁のツッパリにもならないことを雄弁に物語っていると思います。

それでなくともこの政党の内閣は政権奪取後40日目にして、元大蔵官僚を郵政会社の新社長に任命して官僚支配打破という立派なお題目をみずから踏みにじったり、対米基地問題でノーコントロール状態に陥ったり、トップの足元で政治資金の疑惑の炎がぶすぶすと燃え広がり続けていますが、こんな体たらくではなはだ前途多難と見受けられます。

歴史の舞台から消え去ろうとしている自民党や公明党に比べれば相対的にかなりましな政策と機能を備えた政党とそれなりに期待しているだけに、彼らのような愚かな過ちを犯さないようにたくましく成長していってもらいたいものです。


♪政治には絶対はないと思いつつ相対的な正しさを望むものなり 茫洋