蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

日経広告研究所編「基礎から学べる広告の総合講座」を読んで


照る日曇る日第338回バガテルop126

毎年この本でわが国の広告と広告業界のお勉強をさせてもらっています。2010年版の特色は、1に不況どん底時代の業界の嘆き節と絶望の苦悶。2にインターネットメデアとの阿鼻狂乱風のお付き合いというあたりでしょうか。

政権党が何をしようがしようまいが、経済学者がどのように世界を解釈しようが不況のあとにくるものは好況に決まっているので、景気は順調に回復するでしょう。すでにその兆し=「広告モエ」現象はあちこちにほの見えているようで、またしても軽佻浮薄なちょいと出ました広告野郎がのさばる世の中が、ほれ本町3丁目の角のてらこ履物屋までやって来ているのさ。


ネットは08年の「君中部」に続くすいすいすだらかツイッター旋風の出現で、またまた一種異様な猫じゃ招き猫じゃええじゃないかの狂騒状態に突入し、私のように多少とも品性のある低級遊民&古典守旧派の顰蹙を買っていますが、民主党の断末魔崩壊と同様もはや誰ひとりとどめることができない「時代の流れ」となるでせう。

これまでのブロガーの言説にかろうじて三段論法があったとするなら、ツイッターはあほばか感傷的一段論法いたちの最後っ屁あるのみ。正反合あれども弁証法は皆無也。

で、なにが変わるって? なあんも変わりやしないのさ。「携帯の進化?」とおんなじことで、機械は進歩すれども人間はげしく強行劣化・腐敗堕落して無限地獄に転落、カンダタ同様やたらめったら忙しくなるだけのこってす。

それじゃあ、また。(吉田秀和翁の声音を真似して……)

♪厳めしき教授の顔をよく見れば丹波の洟垂れ小僧なり 茫洋