蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第6回


bowyow megalomania theater vol.1

10月25日

発作が起きました。

でも、そのことは後で分かったのです。お母さんが真っ青な顔をして僕の目をみつめていることに気づきました。

突然の発作だったらしいのです。でも僕はなにも覚えていません。
いや、なにか奇妙な夢を見ていました。

夢の中で、僕は大きな亀に乗って竜宮城へ行きました。うすいヴェールの下に桃色のおっぱいとおしりをぷちぷちぷりんと垣間見せながら、うつくしい乙姫様はおっしゃいました。

ああら、らっしゃいよ。坊や、とってもきれいな手をしてるのね。くちびるのかたちもすてきよ。取っても気に入ったわ。あらら、動いちゃダメよ、じっとしていなさい。なにもしないわ。なんにもしないわよ。あらあら、可愛いわねえ。
キスしてあげる。


♪長島一茂がギリシアの暴動について語っている五月の朝よ 茫洋