蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第17回


bowyow megalomania theater vol.1

僕たちは裏山の頂上を過ぎて、星の子学園の反対側の斜面をゆっくりと降りてゆきました。

うっそうと茂った森の中には、ナラ、クヌギ、ブナ、クリ、クスノキなどの高い木がそびえていました。

僕は公平君とのぶいっちゃんとひとはるちゃんと文枝と洋子と一緒にドングリとシイノミをいっぱいとりました。ドングリを食べるとオシになるとおばあちゃんから聞いていたので、ドングリは食べないでシイノミをお腹がいっぱいになるまで食べました。

僕はシイノミを食べた後、まだドングリを食べたくなりました。すると公平君が言いました。

僕たちはもう立派なショーガイシャなんだから、もし僕たちがドングリを食べてオシになって二重にショーガイシャになったっておんなじことじゃないか。ああ、お腹が減って来た。さあドングリをどんどん食べよう。もっとじゃんじゃん喰おう。じゃんじゃんドングリを食ってショーガイシャになろう。ショーガイシャ足すショーガイシャ足すショーガイシャ、イコール地上最強のショーガイシャ同盟になって長島たちケンジョーシャたちを見返してやろうぜっ!

公平君はそう怒鳴ってドングリをビシバシ食べ始めたので、僕ものぶいっちゃんとひとはるちゃんと文枝と洋子もみんなみんな地上最強のショーガイシャになるためにドングリの実をぜんぶ食べてしまいました。


瓦葺の平屋を見れば心安らぐわれは昭和のおのこなりけり 茫洋