蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第33回


bowyow megalomania theater vol.1


「第7機動隊のおまわりさんは、きっと死んでしまっただろう。

だからきっと彼らは、もうすぐここまで攻めてくるだろう。

団体で徒党を組んでやって来るだろう。

だから僕たちも、ここで命懸けで戦うか、いったん退却するか態度を決めなければならない」

公平君は、厳しい顔つきで、そう言いました。それから突然、

「岳、これから君はどうするんだ?」
 
と公平君は、僕に向かって問いただしました。

しかし僕はどうしてよいのやら分かりません。
こっちへ行くのがいいか、あっちへ行くのがいいか、と聞かれても、僕はいつもどっちへ行ったらいいのかてんで分からず、いつも誰かのいいなりになってきたのです。つねに付和雷同してきたのです。

ふだんからそういう状態なのに、こんな非常事態になって、いきなり

「君はどうするんだ?」

などと聞かれても答えられるわけがありません。こんな僕はやっぱりうごうの衆なのです。



ふりさけみればいきなりいがぐりおちてめにささりしこせきくんどうしているか 茫洋