蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

ビーバン・キドロン監督の「ブリジット・ジョーンズの日記きれそうな

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.283


 ヒロインのレネー・ゼルウィガーとヒーローダーシー役のコリン・ファース、そしてその強力なライヴァル役であるヒュー・グラントは前作に引き続き出演しているが、なぜか監督が変わった。でも変わっても演出がとくに良くなったわけではない。ともかく中級の娯楽作品だから誰が監督でも同じことなのである。

 しかし今回はなんの必然性も無く舞台がタイに変わって、ここでヒロインが大変な目に遭うのだが、この絶体絶命のピンチに喧嘩別れしていたダーシー氏がやっぱり駆けつけてくれて、2人はめでたく一緒になるのである。

邦題の「きれそうな私の12か月」は原題のThe Edge of Reasonがサマセット・モームの「The Razor's Edge(剃刀の刃」を踏まえていることを知ったうえでの命名で見事だが、私なら「リンダ、狂っちゃいそう」じゃなかった、「ブリジット、狂っちゃいそう」で行きたいと思う。


発達障碍なぞと言い換えても全く無意味生まれついての脳の怪我なり 蝶人