サム・ライミー監督の「スパイダーマン1&2」を観て
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.431&432
スタン・リーの漫画の原作は、蜘蛛の糸でオブラートにくるまれてはいるが、かの名作スーパーマンの物語を換骨奪胎した正義の味方の一大冒険物語である。
デイリー・プラネットならぬデーリー・ビューグル新聞社のワンマン社長がなかなかいい味を出している。
しかしどこから見ても冴えないダメ少年が、新種の蜘蛛に咬まれただけで霧隠才蔵と猿飛佐助を足して2で割った蜘蛛面超人男に変身するとはうまく考えたね。スパイダーマンの敵役グリーン・ゴブリン(ウィレム・デフォー)の二重人格の設定はうまい。
続編はその大半が正編の出来栄えに劣るのに、「スパイダーマン2」は1より良かった。
わたしとしたことが、僕は正義の味方として世の中のために闘わなければならないので、君とは結婚できないのだ、とスパイダーマンが告白するところで不覚にも涙を流してしまったのだあ。
ヒーローもヒロインもどちらかといえば地味でダサいのに、どうしてこんなパルクフィクション出来の漫画映画で涙なんか出してしまうんだ。と悔やんだがもう遅い。人間は自分が流した涙については価値と責任を感じるので、そのことが作品の評価に悪い影響を与えることがあるということをわたしは知っている。
それは目の前で涙を流す女の存在感が、流す前とは比較にならないくらい重くなるのと似ている。
やな感じ世界中が北朝鮮のミサイル発射を待っている 蝶人