蝶人戯画録

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ダグラス・ボストック指揮デンマーク響「カール・ニールセン」10枚組を聴いて

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音楽千夜一夜 305 

 

1856年に生まれ1931年に亡くなったこのデンマークの作曲家はだいたいフィンランドシベリウスとほぼ同じ時期に活躍したらしい。

 

これは彼の6つの交響曲、フルートやヴァイオリン、クラリネットなどの協奏曲を集めた10枚組のCDです。

 

私は交響曲2番の「4つの気質」、4番の「不滅」などのタイトル名だけは覚えがありましたたが実際に耳にしたのは初めて。シベリウスと同様先行する他の音楽家とはあまり似ていない、つまりきわめて独自の音楽をやっていて、すこぶる聴きごたえがありました。

 

そのような聴きごたえかと問われても、下手な比喩でしか返せないのが無念でありまするが、ちょうどデンマーク生まれの哲学者、キェルケゴールの「あれかこれか」や「反復」、「不安の概念」そして「死に至る病」を読んでいるような、ちょいと不可思議な気分が脳裏によみがえってきたのでした。

 

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