伊丹十三監督の「タンポポ」を見て
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.483
これは理想のラーメン作りに挑むか弱き女性を援け、強気をくじく男たちのさすらいの西部劇で、どこかシエーンを思わせる風情もある異色のドラマである。確か当時ニューヨークでも公開されたはずだ。
そうさねえ、先ず題名が良い。主演の宮本信子の名前が題名というわけだが、昔なら大和撫子というところをこれにした。同じタンポポでもこれは日本タンポポだろう。ちなみに私の妻君のメルアドも同じ名前です。
やっとこさっとこ究極のラーメンが誕生して物語はメデタシ、メデタシとなるわけだが、この本筋にからむ黒沢のドデスカデン的ルンペンたちや白服のギャング役所広司とその情婦黒田福美のグルメ風性愛光景も面白い。イノシシの山芋の腸詰めなんて食べてみたいな。
ほんのちょっとだが晩年の大友柳太郎が出演していて、その存在感に圧倒される。
ハイドンの出だしの一撃に脳天が打ち砕かれしはいつの日か さらばわが青春の東京カルテット 蝶人