蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第8回

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西暦2014年如月蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.180

 

 

歌人とか俳人とかいふのは、たいていひどい俗物ですからね。何しろ歌の結社の御大が地方にゆくときには、人身御供の娘を一人、あたかじめ用意しておくなんて言ひますもの。」丸谷才一「横しぐれ」より

 

短歌が芸術だって? ばかな。あれはサプリ。私が毎朝飲んでるビタミン剤のようなものさ。

 

「クラシックの名曲は?」と聞かれた矢野顕子は、たちどころにドボルザークの新世界と答えたが、これ以上立派な回答はないだろう。でも立派過ぎるかも。

 

つい80年前には国家はなかった。藩があるだけだった。とすれば、国家だっていつかは亡ぶ、過渡的なものではないだろうか。丸谷才一「秘密」

 

国家が侮辱されたとか、国家の利益とか、本当は国家の支配者が侮辱されたり、利益をむさぼったりするだけなのに。丸谷才一「秘密」

 

集団的自衛権を認めると平和憲法が戦争憲法に変質する。よってこれを推進する人間は憲法擁護義務を定めた憲法99条違反で起訴・投獄しなければならない。2/26

 

神尾真由子ベートーヴェンは何の考えもなくただ弾いているだけ。同じ若手の庄司沙耶香とは雲泥の差だ。モザールのK301を弾き比べたら、その差は決定的になるだろう。2/25

 

コンサートで拍手を強要するミュジシャンは不愉快だ。お前の演奏が良ければ手を叩くし悪ければブーを叫ぶ。それが観客というものだ。2/22

 

東日本の植相は西日本と違って貧弱なので、昆虫の様相もつまらない。2/22

 

何かについて、とても許せることではないとか、けっして自分を許せないとか、わたしたちは言う。でもわたしたちは許すのだ――いつだって許すのだ。アリス・マンローディア・ライフ」小竹由美子訳 2/21

 

アルヴァンベルク四重奏団とフィッシャー・ディースカウの演奏は完璧だが、聴くほどに肩が凝る。私はむしろアマデウス四重奏団とハンス・ホッターの豊かな緩さを称揚したい。

 

7世紀の隋書「倭国伝」には白い喪服を着たと記されているが、718年の養老喪葬令で「天皇は2親等以上の喪に際して墨染の衣を着用する」と定められて以来黒の喪服が用いられ、平安時代には宮中で定着した。

 

太陽の調べと月の調べの両方を自在に奏でるのが音楽だ。ランラン、ユジャワン、中村紘子、グリモー、辻井伸行などの弾き捲りぶっ叩くゲバピアノは音楽ではない。コルトーや三味線などをよく聴いて、弱音の幽玄、嫋々たる語りを身につけ給え。2/8

 

漠然と恐怖の彼方にあるものを或いは素直に未来とも言ふ。近藤芳美「埃吹く街」

 

時の歩みは三重である。未来はためらひつつ近づき、現在は矢のやうに早くとびさり、過去は永劫に静かに立ってゐる。シラー

 

結局文は無力だ。我が懐かしき匂いすら的確に表現できない。日々失われゆくわが記憶の中の匂いよ。2/4

 

葛西選手の銀メダルにつよく励まされ、自分も精進しようと思う。2/16

 

いかにも景気と雇用は大切だが、君の頭にあるのはそれだけなのか?

 

若し永久のものを求むならば、別に一件を創するにあり。正岡子規

 

あたたかな雨がふるなり枯葎 子規

 

人生にはかなわないもんね。アリス・マンロー「熊が山を越えてきた」小竹由美子訳

 

アバド指揮ルツェルン祝祭管のマーラー六番が傲然と鳴り響くとき屋外でさえずるサンコウチョウの声。もちろんほんとうに心に沁みる音楽は後者にある。

 

自称右翼の軍国主義者のいまや誰の目にも明らかになった目論見は、この国の自由を徹底的に抑圧し、排他的な愛国主義を宣揚し、憲法を改悪し、再び海外を侵略できる戦争とファシズム体制を確立することである。

 

しかし憲法改定に本当の本気で反対しているのは、似非左翼だのいわゆる護憲勢力ではなく、天皇と米国であることが、この自称右翼の軍国主義者のボンボンに分かっているのだろうか。

 

またそれは現在の世界秩序である米英仏ロ中の勝利者連合国体制への挑戦を意味するがゆえに、米中のみならず敗戦国仲間の独伊からも強い反発を受けるに違いない。果たしてボンボンに再び全世界を敵に回す覚悟があるのだろうか。

 

エグザイルとかいう男だけの亡命集団が、聴くに堪えない空疎な内容の歌をうたいつつ、全員がまことに空虚な顔をして去勢された猿のようなダンスを踊っていた。

 

他人が書いた本に赤線を引きまくって覚えた内容が、君の思想なのではない。君の内臓に刻んだ言葉だけが君の思想なのだ。

 

読売新聞は「国益大好き新聞」、産経新聞は「自民党新聞」、朝日新聞は「夕日新聞」に改名したらどうだろう。

 

左へ行くのは簡単だ。右へ行くのはもっとたやすい。ものをかんがえる必要すらないくらいだ。ところがそれ以外の道を進もうとすると難しくなって、いっそ元に戻ろうかと思うほど苦しむことになる。2/1

 

橋下トリックスターまたまた炸裂。この寂しがり屋で超だだっ子の誇大妄想餓鬼頭を中心に大阪や日本や世界が回っているのではない。いい加減にしろ。2/3

 

 

なにゆえに朝も早よからサッカーやってる烏滸の沙汰なりNHK1ch 蝶人