蝶人戯画録

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ロバート・ゼメキス監督の「バック・トゥ・ザ・フューチャー1,2、3」をみて

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bowyow cine-archives vol.687、689、690

 

 自由に過去、現在、未来を行き来できたら、さぞや楽しかろうなあという空想をパンパンにふくらませたいかにもスピルバーグな映画で、マイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイドが楽しそうに演じている。

 

 1985年製作の第1作はそんなアメリカンな陽気さが全編にみなぎっており、ヒューイ・ルイスの能天気な主題歌「愛の力」が流れるといかにも80年代な気分が横溢する。

 

 しかしこの映画のラストでマイケル・J・フォックスがデロリアンに乗って1985年のカリフォルニアの現在時に帰還した直後に、どうやって同じデロリアンに乗ったクリストファー・ロイドが到着できるのかよく分からないな。

 

 1989年に製作された続編はNYの映画館で12月にみたのだが、場内は家族連れで大騒ぎ。なるほどアメリカ人はこうやって娯楽映画を楽しむのかと内容よりそっちのほうに感心したのだが、じつはそのとき私は前篇をみていなかった。

 

 1955年から85年に帰還した主人公が今度は2015年に出発するというあらすじだけは分かったが、英語の聞き取りもほとんどできなかったので、ほとんどこの込み入った時間旅行のデテールを理解し楽しむことができなかったのは残念だった。

 

 第3作では1885年の過去へ向かうが西部のガンマンになったマイケル・J・フォックスが「クリント・イーストウッド」を名乗るのが面白い。

 

 ラストの蒸気機関車の中でのドタバタは手に汗握るが、いろいろ各方面に迷惑をかけるからあんまり時間旅行はしなうほうがベターよ、とかいうて幕を閉じるのは、「語るに落ちる、撮るに足らん」と言うべきか。

 

 30歳の若さでパーキンソン病を発病したマイケル・J・フォックスは、現在リドリー・スコットがプロデユースする素晴らしいTVドラマ「グッドワイフ」で、渋くコミカルな演技を披露している。

 

 私の結論としては、海外ドラマの「グッドワイフ」のほうが「バック・トゥ・ザ・フューチャー」より100層倍面白いです。

 

  なにゆえに「グッドワイフ」は面白いグッドなワイフはどこにもいないから 蝶人