ある修道女
「これでも詩かよ」第55番&ある晴れた日に第191回
山の麓の公園で、ひとりの修道女が携帯電話をかけていた。
声を潜めて話していた。
修道院に入るにはお金が要る、と誰かから聞いた。
お金の額で待遇が決まるというのだ。
地獄の沙汰のみならず
天国の沙汰も金次第?
厳しい戒律に縛られて
あんがい自由もないのだという。
山の上には修道院
「無用の者立ち入るべからず」の張り紙。
齢老いた修道女の電話は続く。
いったい誰と、何を話しているんだろう。
なにゆえにこれほどの傑作を採らぬのかといたずらに選者を怨みし朝も再々 蝶人