蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

セルジオ・レオーネ監督の「荒野の用心棒」をみて


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.108

黒沢の「用心棒」を無断で盗用したマカロニウエスタンの代表作です。ご存知クリント・イーストウッドが2つの悪人グループが対立するメキシコの寒村で桑畑三十郎ばりの大活躍をするというきめの粗い作りの映画でした。
 
この映画で気になることは2つ。ひとつは酒場の親父(ジャン・マリア・ボロンテ)が悪い奴らにひどく拷問されても、ガンとしてイーストウッドの居所を明かさない根性。私にはとても真似ができないことです。

もうひとつは悪人に誘拐されている美女を逃がしてやる理由が、「昔の女を助けてやれなかったからよ」。その昔の女に似ていたのが女優をやめて現在はドイツでお医者さんをしているというマリアンネ・コッホ。あのコッホ博士の子孫ですかねえ。

あとはエンニオ・モリコーネの音楽が巧みなものであった。


    この捨てられた枯れ枝に桃の花が咲くといいな 茫洋